入職と離職の状況と転職入職者が前職を辞めた理由

◆年間で常用労働者の15%が離職

人材不足のため採用に苦慮する企業も多いところですが、せっかく人を採っても、辞めていく人が減らなければ困難な状況が変わりません。

厚生労働省が公表した「令和4年雇用動向調査結果」によれば、令和4年1年間の離職者(事業所を退職したり、解雇された者)の数は約765万人となっています。また、年初の常用労働者数に対する割合である離職率は15.0%となっています。

◆転職入職者が前職を辞めた理由

また、同調査によれば、令和4年1年間の転職入職者が前職を辞めた理由については、男女ともに「その他の個人的理由」(男性19.6%、女性25.0%)、「その他の理由(出向等を含む)」(男性14.7%、女性8.6%)を除くと、「定年・契約期間の満了」(男性15.2%、女性10.9%)が最も多く、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(男性9.1%、女性10.8%)、「職場の人間関係が好ましくなかった」(男性8.3%、女性10.4%)が続いています。

◆企業で可能な取組みを検討

上記調査でも「個人的理由」とありますが、辞める本当の理由を会社側に明確に伝える例は少ないのではないでしょうか。

エン・ジャパン株式会社が実施した「就業前後のギャップ」についてのアンケート調査によれば、約8割が、入社前後で「ギャップを感じた経験がある」と回答しており(トップ3は「仕事内容」「職場の雰囲気」「仕事量」)、55%がギャップにより仕事を辞めたことがあるそうです。その中でも「職場の雰囲気」は離職理由のトップとなっており、上記厚生労働省の調査の「職場の人間関係」による理由と重なるところがあります。

今後はそれぞれの企業で何が離職理由となっているのかを考え、企業として可能な取組みについても検討していく必要があるでしょう。

【厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」】

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf

【エン・ジャパン「就業前後のギャップ」調査『エン派遣』ユーザーアンケートー】

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/34225.html