これからの企業戦略として検討したい「健康経営オフィス」づくり

◆オフィス環境の整備が企業価値・収益の向上につながる

「健康経営オフィス」という言葉をご存じですか? 経済産業省の定義によれば、健康経営オフィスとは、「健康を保持・増進する行動を誘発することで、働く人の心身の調和と活力の向上を図り、ひとりひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できる場」のことです(同省「健康経営オフィスレポート」)。

 オフィスは従業員が日々、多くの時間を過ごす場所であり、そこでの働き方が従業員の健康に及ぼす影響は少なくありません。オフィス環境を整備することで、従業員の健康の保持・増進と健康的な働き方が可能になれば、企業価値と収益性も向上します。そのために実現を目指すべきが健康経営オフィスであり、現在、これに戦略的に取り組もうとする企業が増えています。

◆健康経営オフィスを実現するための取組み

健康経営オフィスを実現するためには、従業員が健康の保持・増進につながる行動を日常的に行えるよう、オフィス環境を整備することが求められます。

 具体的に、オフィス環境において従業員の健康を保持・増進する行動は、大きく、「快適性を感じること」「コミュニケーションすること」「休憩・気分転換すること」「体を動かすこと」「適切な食行動をとること」「清潔にすること」「健康意識を高めること」の7つに分類できるとされています。こうした行動を導くため、什器・レイアウト・内装などの空間面や、照明・空調などの設備面、ICT・インフラなどの情報面、そして制度・ルールなどの運用面に着目して、オフィスの整備を行っていくことになります。

◆できるところから取組みを始めてみましょう

オフィスの整備というと「お金も時間もかかる」と思われがちですが、企業の実例をみてみると、たとえば快適性を感じられるようにするために「ブラインドを上げて太陽の光を取り入れる時間帯をつくる」、休憩・気分転換できるように「リラックスタイムを設ける」、体を動かすために「立ち仕事スペースをつくる」など、すぐに実施できそうな取組みも多数見つけることができます。

企業にとっても従業員にとってもメリットの大きい、健康経営オフィス実現のための取組みを始めてみませんか。